赤ちゃんの心を癒す、ママの「抱っこ法」

原因の分からない癇癪や号泣、夜泣きやキーキー声での叫びなどに悩まされているママに、おすすめしたいのが「抱っこ法」です。「抱っこ法」とは、ただ単に抱っこするのではなく、赤ちゃんや子どもの「不安」に語りかけて思いっきり泣かせてあげながら抱きしめる、ママができる「抱っこセラピー」のこと。お金も道具も不要、効果が肌で感じられてママ自身も楽になる「抱っこ法」について、私の体験をまとめました。

抱っこ法について、詳しくは「原因不明の号泣、癇癪、夜泣きを解消。赤ちゃんと心が通じる抱っこ法のススメ」にまとめているので、まずはそちらをお読みいただければ幸いです。一番やりやすいのがママというだけで、パパでもおじいちゃんおばあちゃんでも、もちろん可能だそうです。

この記事では、上記で書ききれなかった私の体験談をご紹介しています。抱っこ法には何度も助けられてきたのですが、はじめて娘が心の底から泣くことのできた初回の体験談、出生時のトラウマ解消について書いております。

正直申し上げて、実際にやってみるまでは「抱っこ法」も気休めのように思っておりました。出生時のトラウマという言葉自体ちょっと不思議な響きですし、ほほほほんとに??と思われる方もいらっしゃるかと思います。私自身、全員に必ず効く!といえるほどの根拠はないのですが、やってみて副作用のあるものではないと思うので書いてみることにしました。

自分の体の中に命を宿すって、ほんとに不思議な感覚ですよね。私はスピリチュアルなことには詳しくありませんが、産後は「赤ちゃんと私って、目に見えない絆でほんとにつながってるんだな」と感じることがありました。抱っこ法は、そんな母子の絆を感じさせてくれるものだと思います。

赤ちゃんは出生時、とっても怖い思いをしている

出生時のトラウマと書きましたが、そもそも娘に限らず、多くの赤ちゃんが出生時に恐怖を乗り越えて産まれてきているそうです。これは、胎内記憶の実験で有名な池川先生のご本などでも記載がありますが、落ち着いて考えてみれば、まぁそりゃそうだなという感じもしますよね。

だって、長い間ママのお腹のなかで、あたたかく薄暗いお水をたゆとうていたわけです。守られた空間でうとうとしていた小さな命が、突如狭い産道を一人きりで通らねばならず、死ぬ思いで出てくるんですよね。しかもその最中、大好きなママが「死ぬ〜〜〜!!」とか叫んで苦しんでいるという……。

やっとの思いでお腹から出たら、まぶしい光、知らない大人たちの声、慌ただしい雰囲気、経験したことのない重力の重みにさらされ、ママの顔もみられずに産湯につけられる。さぞかし不安で怖かっただろうと思います。

へその緒をゆっくり切ってくれたり、すぐカンガルーケアにうつれる産院もありますが、それでも出産の苦しみを赤ちゃんも味わってはいると思います。それに赤ちゃんの命を守るために新生児室やNICUに入ることだってありますよね。大人はみんな赤ちゃんの命を最優先して手を尽くすわけですが、どれだけ頑張っても、やっぱり赤ちゃんの恐怖心は多少なりとものこるのだと思うのです。

「抱っこ法」のご本や、体験談を伺うと、この出生時のトラウマが原因で、極度の人見知りや癇癪、号泣癖がついている赤ちゃんは少なからずいるそうです。そして、私の娘にもやっぱりトラウマがありました。

私が試した「抱っこ法」の実例

娘が4ヶ月になったときのこと。早めの人見知りが始まりました。といってもはじめての方の前で無言になる、笑顔をなかなかみせない程度だったのですが、時々ひどくおびえた反応をみせることがあり気になっていました。

普段はほとんど泣かず、ぐずらないタイプの娘だったので、何か心に抱えこんでいる気がして家庭保育園(という幼児教材があります)の担当さんにご相談したところ、抱っこ法のご本「大好き」を伝えあう子育てを教えていただいたのでした。

「今日は、眠る前にママとお話しようね。もうおっぱいもたっぷり飲んだから、こっち見てお話できるかな?」
夜眠る前に、娘を抱っこして語りかけました。娘は、なになに? という顔でこちらをみています。
「最近、はじめて会う人を怖がってるときがあるよね? 何か不安なことがあった?」
無言でこちらをみつめていますが、続けます。

「大勢の人が集まっていると怖いのかな? 背の高い男の人が怖い? でもパパは平気だよね?」
娘が体をよじって、抱っこから逃れようとしますが(こんなことは普段ありません)、がっしりつかみます。

「もしかして、産まれたときのこと、思い出した?」
自分でも不思議だったのですが、なんだかそんな気がしてふと口にすると、娘が顔をくしゃくしゃにゆがめて泣き出しました。

「そっか、産まれたとき、怖かったんだね。そうだよね、一所懸命おりてきたのに、ママがいきむのへただったから……なかなか、出てこられなかったんだよね」
今まで聞いたことのない声で、娘が泣き叫びはじめました。首をふって逃れようとしますが、抱っこし続けます。私の頭の中には、あの苦しかった出産の風景がありありと浮かんでいます。

「暗くて、せまくて、怖かったよね……よく、頑張ったね」
頷きながら、娘がものすごい声で泣きます。やっと分かってくれた! と言っているよう。聞いている私まで涙があふれてきます。そうか、怖かったんだね、不安だったんだね、娘の気持ちが不思議なほどはっきりと感じられます。泣いているのに、もっともっと泣かせてあげたい、その方がいい、そんな気分がしてきます。

「やっと出てこれて、ママのところにきたかったのに、まずは先生たちに取り上げていただいたもんね。それでびっくりしたんだね」
なぜか言葉がすらすら出てきます。娘が激しく泣きじゃくります。カンガルーケアの準備の間、娘が激しく泣いていたことを思い出しました。

「だから、たくさんの大人に囲まれると、思い出しちゃったんだね。怖かったんだね」
泣き声が次第に、ぐすん、ぐすん、という、かわいらしいべそをかく感じに変わってきました。ここに至るまで、上記を繰り返し20分ほど抱っこしています。かなり長い時間ですが、不思議と苦痛ではありませんでした。

「何度でも泣いていいからね。疲れたらゆっくりおやすみ」
いつもはおっぱいを飲みながらうとうとして、そのまま寝る娘が、この言葉で目をとじてすぐに寝ました。そして今までにないくらい、本当に深くぐっすりと気持ち良さそうに寝たのでした。

「抱っこ法」を試した、その後

上記のような抱っこ法を1週間続けたところ、日に日に泣く時間が短くなっていき、最終的には「産まれたとき」という話や「病院」という単語が出てもまったく泣かなくなりました。妙な人見知り、大勢の大人におびえた様子もきれいさっぱり消えました。

そして何より嬉しかったことは、私と娘の理解が深まったことです。本気で話しあった仕事仲間のような(笑)、言葉では言い表せないお互いへの信頼が芽生えたことを、肌で感じました。娘が代わりに泣いてくれたような感じで、私まですごくすっきりして元気になりました。

育児でしんどいことのひとつが「子どもが〜〜する理由、気持ちがわからない」だと思うんですよね。抱っこ法を覚えてからは、すぐに理解してあげられなくても一所懸命聞けば、必ず答えてくれるんだという自信がつきました。そして、子どもの様子がへんだなと思ったときにはやっぱり何かしらの理由があるんだな、気をつけてあげたいな、と思うようになりました。

その後も、ショックな出来事に遭遇してしまったとき、怖い思いをさせてしまったときには、必ず抱っこ法をしてきました。その時々によって、泣く激しさや泣かなくなるまでの時間は異なるのですが、どの場合も必ず最後には「ママ、もう平気だよ〜」とばかりに、笑顔をみせてくれるんです。

体験談を伺うと、月齢が高いほど消えるのに時間がかかるそうです。それだけ記憶に深く刻まれてしまっているのでしょうか。でも、年齢が上がっても癒されることはもちろん可能で、講座には大人がいらっしゃることもあるそうです。

まとめ

原因が分からない、赤ちゃんの「困った」状態の根っこには、出生時の恐怖心があるのかもしれません。
ママが抱っこしながら語りかけて、思いっきり泣かせてあげる抱っこ法で癒してあげると、あっけなく解消することもあります。
抱っこ法は、今後ずっと使い続けられる、とっても役立つ知恵なので、ぜひマスターしてくださいね。

抱っこ法の詳細についての記事は、原因不明の号泣、癇癪、夜泣きを解消。赤ちゃんと心が通じる抱っこ法のススメです。あわせてお読みいただければと思います。

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