「抱くと泣かれる」では、パパだって育児がつらい

母親の育児不安、虐待の最たる原因は、子どもの癇癪や眠れないストレスなどよりも「孤独感」なんだそうです。子育て中のママなら「あぁたしかに」と頷ける話ではないでしょうか。逆に、一番身近な相手の「夫」がせめて気持ちの面だけでも協力的であれば、子育ては一気にラクになります。その秘訣は「子どもをパパっ子にすること」に尽きると思います。

仕事から疲れて帰ってきて、同じく疲れた妻の顔をみながら、以前より栄えのない食卓につき(時には子どもの泣き声や騒ぎ声を聞きながら)、それでもたまには妻の助けになろうと「ようし、抱っこしてやろう」と抱いた瞬間、号泣される……では、やっぱり夫もゲンナリすると思うのです。ママがいいってさ〜とパスしてくるわけです。

もちろん、それくらいでゲンナリしないでよ!私なんて毎日よ!とお怒りのお母様もいらっしゃるでしょうが、10ヶ月も胎内で子を慈しんできた私たちとは違って、どうしたって夫は「パパ」の実感がわきにくいものだと思います。でも、だからこそ子どもがパパになつくと、一気に愛情が深まるみたいなんですよね。

この記事では、超パパっ子の娘をもつ私が実践してきたことに加え、友人や育児書の話もまじえて「パパっ子になる秘訣」をご紹介します。

<秘訣1>妊娠中から「パパ」の自覚を育てる

パパは子を授かっても「パパ」の実感がない

多くの女性は生まれもった母性本能により、赤ちゃんや小さい生き物が大好き。電車の中で赤ちゃんをみると、思わず目を細めたり。娘を育てているとよく分かるのですが、1歳児でも女の子ってお人形や赤ちゃんの世話をしたがるんです。ママの真似という側面もあるのでしょうが、「小さい命を慈しむ」ことが本能にインプットされているのでしょうね。

でも男性は別。社会という荒波で戦っているわけですから(まぁ近年は女性も戦ってるんですけども)理性とか理論が判断基準なんですよね。お腹がふくらむわけでも、つわりがあるわけでもない。赤ちゃんどころか胎児なんて、やっぱり実感がわかないみたいです。エコー写真って、若干ホラー的なとこありますしね。あれをみて「可愛いっ」て泣けるのは、やっぱりママの感性なのだと思います。

妊娠中の体の変化、胎児の成長を分かりやすく伝える

パパとしては実感がわかないまま、妻がつわりに突入して急に体調が悪くなったり、ホルモンバランスが崩れてイライラしたり肌が荒れたりやつれたり、急激に太ったりするわけですから、ちょっと面食らいますよね。それくらい勝手に予習してくれよと言いたくもなりますが、ここで賢いお母様がたには一工夫していただきたいところ。分かりやすく、妊娠中の体の仕組みを伝えましょう。

大切なのは、事実と客観的データに基づく、分かりやすい情報を提供すること。そしてタイミングを無理強いせず任せること。多くの男性は、妻に講義されたり「友達の○○ちゃん家の旦那さんは」とか他人の家の話をされるのが嫌いなんですよね。どれだけ正しい話でも根拠が不明確だと納得しなかったりするわけです。しかも気分の乗らないときに色々言うと、うるさく感じたり。一度嫌だと思った話は、なかなか聞いてくれなくなったりします。

なので一番いいのは、読みやすい本か雑誌を机においといて「面白いから、時間あったらみててね」と言ってみることだと思います。妊娠したら皆さん買うであろう「初めてのたまごクラブ」のパパ特集は、数ページしかないので読みやすいですよ。

「優しくして」「いたわって」などと抽象的に言われるのは苦手でも、きちんと情報さえ理解して納得すれば、男性は意外と行動してくれるもの。少しでも気遣ってくれたら感謝して、「パパ」として立てていきましょう。この積み重ねがあるとないとでは、赤ちゃんを抱いたときのパパの感慨が全然違うんですね。赤ちゃんは自分を受け入れてくれる存在を敏感に察しますから、パパが実感をもっていればいるほど、なつきやすくなるわけです。

<秘訣2>胎教の中心はママ!パパのことをほめちぎろう

胎児は、ほぼママの声だけを聞いている

上記のようにパパが赤ちゃんのことを理解してくれたら、胎動がはじまる頃にはお腹に話しかけてくれたり、さすってくれたりするかもしれません。もちろんそれは、パパとしての自覚を高めてもらうためにとっても重要なことなんですが、実は胎教としての効果は「??」なんだそうです。

というのも、赤ちゃんが聞いているのはほぼママの声だけだから。胎児は6ヶ月頃から聴覚が著しく発達し、胎教の効果があがるといわれていますよね。ですが実際に胎児や産後の赤ちゃんの脳波を調べてみると、ママの声だけにめきめき反応するんだそうです。パパの声や、ママと同じ女性の声でも反応は薄いんですね。胎内で直接聞こえるからという理由だけでなく、赤ちゃんはもう理屈抜きにママが大好きで、ママの声を頼りに産まれてくるのだと思います。

つまり、胎教の中心はママなんです。胎教の大切さは他の記事でもふれております(「育てやすい子」は生まれつきじゃない!妊娠中から母親ができる工夫とは)が、基本はとにかく「話しかける」こと。(もちろん20時以降はだめですよ。寝ない子になります)胎教の一環としてパパの話をたくさんしておくと、赤ちゃんは「大好きなママの、大好きな人」としてパパを必ず認識してくれます。そして、パパになつきやすくなるんです。

胎教中に伝えたい、パパの優しさとかっこよさ

私自身、妊娠中は不安もありましたし、ホルモンの崩れなのかなんなのか、わけもなく涙がでたりイライラする時期もありました。赤ちゃんのために笑顔でいたい、穏やかでいたいと思っても、だめなときはだめなんですよね。で、そんなときは必ずお腹にむかってこう話しかけていました。

「さっきは、ママがイライラして怖かったよね。ごめんね。もう平気だからね。ママはあなたのママとして一所懸命頑張るけど、時々はこうやって至らないことがあるかもしれない。でも安心してね。ママは一人じゃないの。パパがいるんだよ」

「あなたのパパはね、あんまり声が聞こえないかもしれないけど、寡黙で誠実な人。世界で一番ママを大切にしてくれる。優しくてまじめで、仕事もできて、運動だって得意なの。すごいでしょ。かっこいいでしょ。ママはパパが大好きなんだよ」

「パパもあなたが産まれるのを楽しみに待ってるよ。パパもあなたが大好きだよ。パパに抱っこしてもらおうね。パパはとっても背が高いから、びっくりするかな。今度パパがおなかをさわったら、キックして応えてあげてね」

書いてみると長いですが、話すと一瞬です。こんな風に話しているうちに自分も落ち着いて「そうだ、私が完璧じゃなくてもパパがいるじゃん」とか余裕も出ますし、「たしかに夫はいい男だわ」とか思えたりするのです。笑 こうして伝えていれば、男性だって嫌な気持ちはしないんじゃないかな、と思います。好きになった人ですもの、ほめようと思えばいくらだってほめられるはずです。逆に悪く考えていると、嫌なところばかりが目につくのでご注意を。

<秘訣3>パパと胎教をかねてキックゲームで遊ぶ

背が高い、声が低い、仕事ができる男性は怖がられる?

これは私の経験則ですが、「抱っこすると赤ちゃんが泣く」パパに共通するのが男らしいこと。背が高い、体ががっちりしている、筋肉質、体毛が濃い、声が低い、仕事ができる(ギラギラしている)、こんな感じ。子どもがある程度の年齢になれば、頼もしいパパとしてなつくんですけどね。ママとかけ離れているほど、怖いんでしょうね。

娘も、私のコンサル時代の同期(男友達)が遊びにきてくれると、ある特定の男性にだけ号泣します。笑 彼はとっても子煩悩ないいやつなのですが、仕事のできる経営者。どこか攻撃的というか、ギラギラしたオーラがでてるのかなぁ、といつも話しています。

パパの手を覚えさせる「キックゲーム」のやり方

そんなわけで、男性的なパパの場合は、特に胎教に注力されたほうがいいと思います。せっかく張り切って抱っこしたり沐浴したりしてくれるのに、終始号泣じゃ疲れちゃいますからね。でも話しかけるのって照れくさいんですよね。そこでおすすめしたいのが、パパの感触をできるだけ胎児に伝えておくことです。胎動があればおなかをさわる、ということは皆さんよくされているでしょうが、キックゲームも加えてみてください。

キックゲームとは、胎動がはじまった頃からできる赤ちゃんとのコミュニケーション。赤ちゃんが動く度に、そこを軽く手でおさえる(タッチ)感じで「キック!」と言います。また動いたら、優しくタッチして「キック!」と。繰り返していくと、「キック!」といってお腹をおさえると、赤ちゃんがキック(パンチかもしれないけどw)をその位置に返してくれるようになります。

kick-game

応用編としては、数を教えることもできますよ。赤ちゃんがキックしてきたら「1!」、続けてきたら「1、2」と言ったり、こちらからお腹を軽く3回たたいて「1、2、3」と言ったりしていると、そのうち「3」というと3回キックしてくれたりします。赤ちゃんって本当に賢いんですよね。娘は胎児の頃から10まで数を理解しておりました。でも重要なのは理解度ではなく、赤ちゃんとの遊びを楽しむことです。

この遊びに、パパにも登場してもらいます。最初は、パパの手がふれると赤ちゃんはびっくりして胎動をとめるはず。でもママがリラックス(これが大事)しながら、パパの手の上に自分の手を重ねて「○○ちゃん、パパの手だよ」と伝えることからスタートしてください。慣れてきたら、キック!をはじめます。パパも反応が返ってくると楽しいので、意外とまめに遊んでくれたりしますよ。楽しいので、気長にやってみてくださいね。

<まとめ>

孤独な育児は本当にしんどい。忙しい夫でも、気持ちだけでも育児に協力的だと救われる。
けれどパパは無条件に「パパ」にはなれない。子どもが「パパっ子」なら、夫も育児を楽しみやすい。
妊娠中から夫に赤ちゃんの存在を実感してもらい、赤ちゃんにもパパの存在に慣れてもらうことが重要。

赤ちゃんが産まれてからは、ママも余裕がなくなりがち。やはり胎教中に、パパと赤ちゃんのコミュニケーションを密にしておくことが理想だと感じます。ここで頑張っておけば、赤ちゃんは本当にパパっ子になりやすいですよ。我が家なんて、もはやママよりパパが大好きです。笑

秘訣とか言っちゃったんですが、難しいことは何もないんですよね。やっぱり本質はいつだってシンプルで、「コミュニケーション」なんですね。夫婦間のコミュニケーションが円滑で、パパと赤ちゃんの交流もあれば、うまくいくのだと思います。

とはいえ、胎教中にあまり交流のなかったパパでも、大丈夫。十分取り戻せると感じます。次の記事では、生後編の「パパっ子になる秘訣」をご紹介しますね。

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